今回も「イシュー」をテーマに、第2弾の記事を書いてみる。
前回の記事では、仕事の成果を以下のように分解し、
仕事の成果 = 問いの質 × 解の質
ついつい目がいってしまう「解の質」ではなく、「問い(=イシュー)の質」に目を向けよう、という趣旨のことを書いた。(より詳細には前回の記事を参照のこと)
ただそうはいっても、仕事をしていてなかなか質の高いイシューに取り組めない状況も多い。今回は、日常よくやってしまいがちなパターンを挙げながら、質の高いイシューに集中するための方法について書いていく。
イシューの質が「高い」とは
前回の記事では「テスト」を例にとり、「配点が高い」という表現で「問いの質」を表現した。今回はより具体的に、仕事における「問いの質」について、
- 効果:そのイシューを解いた時の価値の高さ。
- 難易度:そのイシューを解く難しさや、解くためにかかる時間。
という2つの視点から、考えを深めてみたいと思う。
ついやってしまいがちなこと
①効果の小さいイシューに、時間をかけてしまう
あるイシューについて考え続け、かなり時間を要したが、その仕事を終えてふと考えてみるとあまり成果に繋がってなかった、というケース。
たとえば、社内メールに全て丁寧に返信し続けていたら就業時間が終わった、というような場面を想像してもらうとよい。
なぜこうした「時間かけすぎ」状態が起こるのかといえば、手を動かしていることで「仕事した気になる」からであったり、または「どんな仕事も完全で100点に仕上げたい」症状が出てしまっているからであったりする。かけた時間の割には効果が得られず、効率が良くないのが特徴だ。
前回も書いた通り、何かに取り組む前にちゃんと「問いの質」について考え、こういう効果の小さいイシューについては、短時間で済ませるか、またはそもそもやらない決断をすることが重要である。
②分かってるけど、やめられない
「その仕事、やめればいいのに」。そんな話をすると返ってくるのが「でもやめられないんですよ」という言葉。
ただその理由を聞いてみると「前からずっとやっているので」や「待ってる人が1人でもいるから」というものでしかなかったりする。
効果が小さいと分かっているものは、後付けで理由を作るのでなく、どんどんやめてしまう。そして、他の効果の高いイシューに集中することが重要である。
③解けないイシューを、考え続けてしまう
効果の高いイシューに集中することが大事と述べたが、いくら効果が高いイシューであっても、そもそも解けないイシューについて悩んでいても仕方がない。解けてこそ、その効果が目に見えるからである。
ここでいう「解けない」という状態には色んな意味合いがあり、
- 自分の立場では答えを出せない(誰かに相談が必要)
- この場に情報がない、または情報が不確かなため、答えを出せない
- 今考えなくてよい。後でよい(何かが先に決まらないと解けない)
といった状況がそれにあたる。
たとえば、判断をくだす上司が出席していない場で、「もしAという結論が出たらBを準備しないといけない。でもBってどうやって準備します?社内のリソースでBの準備できましたっけ?Bの準備とか私やったことないんですけど・・・」みたいなやり取りのイメージがそれにあたる。
「それ、今ここで考えてても答え出ないよね?」と分かったら、その問い自体は考える必要はない。
まとめ
「効果が高く、かつ、今解けるイシューに集中する」
普段、「仕事が忙しい」「終わらない」という状態が続いてしまっているなら、
- このイシューは解けた時の効果は高いのか
- 低いなら、どうにかやめられないか
- 今、ここで解けるイシューを考えているか
といったことを立ち止まって考えることで、「質の高いイシューに集中する」状態に少しずつ近づいていって欲しい。