4月も終わりに近づき、
新社会人の方や4月から新しい部門で働かれている方は、
「同期に差をつけたい、新しい部門で早く結果を出したい」
と、気持ちの大小はあれど、この様に考えておられる方も多いだろう。
では、どうすれば成果を出せるのか、
という誰もが一度は考えるこのテーマについて、
成果を出す人が考えている2つの視点を提示した上で考えてみたい。
シンプルに言えば、
「やるべき事を明確にする」「やるべき事をやり切る」
という2つの視点をしっかりと持つことが重要である。
やるべき事を明確にする
まずそもそも、自分が今何をやるべきなのか、
を明確に考えないまま、仕事を進めているというケースが多い。
社会人の場合、おそらく多くの場合で
月毎や期毎に成果目標 (達成すべきこと) が決められているだろう。
ただその目標の粒感が大きすぎて、行動に繋がらないという事が多い。
成果目標を分解する
大きすぎる成果目標は行動に繋がらない事が多い。
たとえば、
あ「1年間で100社の顧客から申し込みをもらおう」
という成果目標を置いたとして、
あ「では私は何をすべきか?」
は明確にイメージ仕切れないだろう。
こういう時は、
成果目標 (output) を 行動目標 (input) に
落とし込んでいく必要がある。
具体的なイメージを持っていただくため、
以下に、いまやメジャーリーガーの大谷翔平選手が、
高校時代に作成したと言われる「目標設定シート」を紹介したい。
このレベルに目標を分解しておけば、
やるべき行動のイメージが湧いてくる。
※出典:naverまとめ:大谷翔平が実践!目標達成用紙の作り方!
行動目標を行動計画に落とす
成果目標を行動目標に落とし込んだら、
そこから行動計画に落としていくと良い。
行動計画は、ではいつやるか?を明確にして立てていく。
上記の大谷選手のシートで例を挙げれば、
「本を読む」という項目について、
何月何日の何時に何時間くらいそれをやるか
のスケジュールを決めていくイメージである。
ただこれを決めていく際に悩ましいのが、
複数のやるべき行動の優先付けである。
「体幹強化」と「ごみ拾い」と「本を読む」
のどれをいつやっていくか、を判断していく必要が出てくる。
その際の優先付けの軸としては、
大きく緊急度と重要度の2軸が挙げられる。(「7つの習慣」より)
この2軸をもとに、タスクの優先度を割り振っていく。
※画像出典:非天マザー by B-CHAN
ここで気を付けたいのは、我々は放っておくと
1と3領域:緊急度軸のみでタスクの優先度を決めてしまう事である。
特に第2領域のタスクは強制的に時間を確保するなど、
意識しないと埋もれてしまう事に留意したい。
ここまでのステップ、
「成果目標」→「行動目標」→「行動計画」
と落とし込んでようやく、
今やるべきことは何か、が明確に見えてくる
やるべき事をやり切る
やるべき事が行動計画として落とし込めたら、
基本的には後は実行あるのみである。
ここで気を付けたいのは、
すぐ処理できる仕事を後回しにしない
という事だ。
処理できるイメージが湧いているものは、
思いついたそばからどんどんこなしていく。
一方で悩ましくなるのは、
自分にとって難易度の高い仕事にどう向き合っていくか、である。
たとえば
あ・営業をはじめてやるが、どう案件を受注するか
あ・企画の仕事を任されたが、構想から提案・実行までをどう進めるか
など、初めての業務というのは誰でも難易度が高いものだ。
そうした難易度の高い仕事に向き合う際の姿勢について、
3つのポイントで述べていく。
①他者から学び、応用する
新社会人は特に、まず他者から学ぶ、姿勢が大切だ。
もちろん近くにいる先輩のやり方を学ぶでも良いし、
関連書籍の勉強により学ぶやり方もある。
その際にぜひ意識して欲しいのが、
臨機応変の姿勢である。
よく他者から学んだ際にやってしまいがちなのは、
前提や条件が違うにも関わらず、他者のやり方をそのまま転用してしまう、
ということがある。
例えば、
●「先輩が新規顧客の訪問の時に、まずは会社説明を丁寧にしていたため、
●●私もお付き合いが5年以上ある顧客に、先輩のやっていた通り
●●まずは丁寧に自社の説明をしてみた」
という様な例である。
上記は極端な例で、一笑に付した方も多いかもしれないが、
実際にはこうした前提の異なる状況におけるそのまま転用は数多く見られる。
他者から学んだ上で、
じゃあ今回はどうすれば良いかを臨機応変に考えられるかどうか、
が成果の創出を決める鍵の1つとなる。
②はまり込む前に報連相する
仕事の実行において意識したい2点目として、
はまり込む前に報連相する、を挙げたい。
たとえばよく起こる事として、
●「もっと早く見せてくれれば良かったのに問題」
がある。具体的には、
提案資料を自分1人で考え、資料の細部、グラフや色遣いにこだわり、
相当時間を使って作り上げた状態で、
●「資料のフィードバックを頂いても良いでしょうか?」
●「・・・。全部目を通したけど、全体の骨子から考え直した方がいいから、
●●今作ってくれてるスライドはほぼ作り直そうか」
といった状況である。
ぜひ意識して欲しいのは、
「これからどっぷり時間を使って作業にはまり込むぞ」
という前の段階での相談である。たとえば、
●「資料の骨子をまずはテキスト箇条書きベースで作ってみたのですが、
●●この段階で全体像のフィードバックを頂いても良いでしょうか?」
といったイメージである。
こうした報連相であれば、仕事の手戻りは大きく削減される。
はまり込む前に報連相する、
言い換えると、フィードバックはラフな全体像の段階でもらいに行く、
という点は、資料作成に限らず意識したいポイントだ。
③サボれる状態を目指す
そして最後に、仕事の実行において意識したい3点目として、
頑張る事を美徳にしない、という点を挙げたい。
特に新社会人でよくみられることだが、
初めて仕事で成果目標を達成した時に大きな達成感を得て、
その状態で満足してしまう、という事がある。
(ちなみに、この気持ちはとてもよくわかる)
ただそこから更に一歩抜きんでるためには、
いかにより少ない時間で同じ成果を出せるか
を考え抜くことである。
□そもそも不要な行動はなかったか?
●(提案書は印刷して当日渡すより、事前にデータで送付しておくと良いのでは?)
□短縮してできる仕事はなかったか?
●(営業のアポイントは訪問の最後に次回の日程を決めてしまうと早いか?)
□仕組み化できるところはないか?
●(提案資料は多くの顧客で適用できるフォーマットを作ってしまうとどうだろう?)
たとえばこんな視点で自分の業務を見つめなおし、
サボれる状態を目指すことをぜひ奨励したい。
まとめ
仕事の成果を出すために大きくは2点。
●「やるべき事を明確にする」「やるべき事をやり切る」
前者においては、
●「成果目標を分解して行動目標に落とす」
●「行動目標を行動計画に落とす」
後者においては、
●「他者から学び、臨機応変に応用する」
●「はまり込む前に報連相する」
●「サボれる状態を目指す」
こうしたことを1日・少しでも意識できるかどうかで、
同期とどんどん差が付いていく。
最後に「1.01と0.99の法則」を紹介して終わりにしたい。
1.01をやり続けるか、0.99で惰性で過ごすのか、
このほんの少しの違いが、大きく成果の分かれ道となる。
画像出典:SABLOG-さいぞうのブログ