「どうすればoutput力を高められるだろうか」
会議での発言、報告書の作成、提案資料の作成 etc・・。
「output」の種類は色々あれど、つまりはそんな悩みをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
色んな場で講師登壇を重ね、年間2,000名近くの社会人の方々と議論しながらそのoutputの傾向を見ていると、世の中には大きく2つのoutputタイプがあって、それぞれ良い面と改善点ががあるなと実感しています。
今回は
- その2タイプについて説明し、
- 自身がどちらのタイプ寄りか診断いただき、
- それぞれに応じた向上のアドバイス
について書いていこうと思います。
「自分のoutputはどんな傾向にあるのか」「その場合何を意識していけば良いoutputを出せるのか」そんなことを意識しながら読み進めていただければと思います。
outputの2タイプ:速い人と深い人
まず、outputのタイプは大きく分けると「速い人」と「深い人」に分かれます。それぞれ説明します。
「速い人」:スピード派
とにかく頭に浮かんだことを発言したり、今思いついていることを行動に移したりするタイプ。質問に対する回答や依頼された仕事へのoutputがとにかく早い。口癖としては、「いったん回答すると~」「とりあえず●●をやっておきました!」などが挙げられます。
スピードが早い一方で、outputに検討のモレがあったり、そもそも思考の跡を感じずらいことで、周囲からヌケモレの指摘をもらったり、「もっと考えてから持ってきて」と言われたりすることもあります。
「深い人」:熟考派
自分の中でとにかく深く、しっかり、十分に十分に考えようとするタイプ。質問には十分に時間をかけて回答、依頼された仕事はとにかくしっかり考えてから提出する。口癖としては、「えーっと・・・(沈黙)」「もう少し考えます」「まだ出せる段階にありません」などが挙げられます。
深く思考できる一方で、outputに至るまでの時間が長く、なかなか動きが見えないことで「●●さんは一体どう考えてるの?」「もっと早く見せて欲しかった」と言われたりすることもあります。
あなたはどちらのタイプ?(自己診断)
さて、あなたのoutputの傾向はどちらのタイプでしょうか。自己診断でOKですし、「どちらかといえばこっちかな」という感覚でOKなので、いったん自己診断してみてください。
もしまだうまくイメージが湧きずらければ、以下も参考にしてみてください。
▼「速い人」は・・・
- 会議では思いついたことをすぐ発言する
- まとまってないと思っていてもまず出す、出したい
- いつも納期より早めにoutputは出す
▼「深い人」は・・・
- 会議ではある程度大枠が見えるまで発言できない
- いきなり発言を求められると固まってしまう
- 仕事を納期通り提出しようとして、提出間際に「粗」が見つかって直していると納期に遅れる
outputタイプ別のアドバイス
ではここからは先ほどの自己診断に従い、それぞれのタイプの人に私なりに「output力を高める」ためのアドバイスをしていきます。
■速い人へのアドバイス
速くoutputできるマインド・姿勢。これはなかなか得難いスキルです。この姿勢を持っているということに、ぜひ自信を持ってください。
ただ、outputがまだまだ粗いので、おそらく色んなフィードバックを受けるでしょう。そこで立ち止まってしっかり考えてみることが大切です。
- どこにフィードバックが入ったのか
- フィードバックの内容は具体的にどういう意味なのか
- どう改善すればいいのか
フィードバックを受けた後、またすぐに「直しました!これでどうですか?」と即座にoutputを返したい衝動を頑張って抑え、いつもより「気持ち一歩」立ち止まって考えてみるようにしましょう。(※何をどう考えれば分からない場合は、論理思考や問題解決をしっかり学ぶといいでしょう。(※こちらで推薦書籍を紹介しています))
スピード派のあなたらなら、フィードバックを改善に活かすコツさえ掴んでしまえば、どんどんトライアンドエラーを高速で繰り返し、質の高いoutputに速くたどりつけることでしょう。
■深い人へのアドバイス
しっかりと熟考できること。周りが気付かない検討のモレ・穴に気付けること。これはなかなか得難いスキルです。この姿勢を持っているということに、ぜひ自信を持ってください。
ただ、もっと早くoutputしてしまってOKです。
気持ちは凄く分かります。
- 不完全なものを出したくない
- 何か指摘されてムカつきたくない
- 時間があれば自分でも完成できたのに、と悔しがりたくない
といった想い。
ただ、速く出してしまった方がトータル速いです。なぜなら、熟考型のあなたとて気付けないことはたくさんあるし、何より自分の頭の中で考えているうちは安全地帯で、思考ペースがゆっくりになってしまうからです。
速く出すことで悔しさや恥ずかしさを感じてしまうこともあるでしょうが、大丈夫。いきなり100点の回答なんて誰も求めていないし、もし何か指摘されたとして、「あなたが指摘をされた」という事実は1週間もすればみんな忘れています。自意識過剰もいいところです。
熟考型のあなたなら、速くoutputを出すと「気持ち悪く」なって、その気持ち悪さの解消に向けて、質の高いoutputに速くたどりつけることでしょう。
まとめ
結局我々が目指したいのは、「深いoutputに、速く」辿りつくことです。
「浅いoutputに速く辿りついて終わる」ことでも「深いoutputにゆっくりなら辿りつける」ことでもありません。
そのためには、
- まず速くoutputを出してしまうこと
- そして、深くじっくりと振り返ること
- そして、また速くoutputを出すこと
この高速運動により、「深いoutputに、速く」辿りつくことができます。そして、結果的にoutput力は高まります。
「自分はどっちのoutputタイプかな?」を押さえながら、いつもより少し逆サイドを意識してみること。騙されたと思って、まあちょっとやってみてください。
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