2010年に発売され、累計30万部を突破している(2020年9月時点)「イシューからはじめよ」という書籍があります。
私も発売当時に購入して以来、折に触れては読み返し、通算で20回以上は読んでいます。
普段、特に「思考」をテーマにした講義に登壇する際には、「この本の内容は、最も大事な出発点」と、その内容を強調しています。
ただ、一般的にはこの本のタイトルにある「イシュー」という言葉は聞き慣れない言葉でもあるため、
「自分にとっても読んで意味があるのだろうか」
「自分には難しいんじゃないか」
といった疑問をお持ちの方もおられるかもしれません。
この記事では、この書籍の要約・まとめを紹介しながら、手に取るべきかどうかの判断材料にしていただければと思います。
目次
序章要約・まとめ:イシューとは何か
「データ分析に明け暮れるうち、今何をやってるか分からなくなる」
普段仕事をしていて、このような経験は多くの方にあると思います。そんな中、「より生産性高く働きたい」と思っておられる方も多いでしょう。
仕事の「生産性が高い」とは
それでは、「仕事の生産性が高い」とはどういうことでしょうか。
この本では、
「少ない労力 (インプット)で、高い成果 (アウトプット) を導く」
ような仕事の仕方、と定義されています。
「高い成果」の仕事とは
では、「高い成果の仕事」とはどのようなものでしょうか。
本の中では「高い成果の仕事 (=バリューのある仕事)」を、
「イシュー度」と「解の質」
という2つの軸で定義されています。
ここで本のタイトルにもある「イシュー」という言葉が出てくる訳ですが、私なりにかみ砕いて説明すると、
・解の質:出した答えの質の高さ
と言い換えることができます。
つまり、「高い成果の仕事」とは、
・「イシュー度=問いの質」が高く、答えを出す必要性が高い
・「解の質=出した答えの質」が高い
の両方を満たすもののことを指します。
陥りがちなこと
ただ私にも経験がありますが、我々は「仕事で高い成果を出そう」「生産性を高めよう」とするときに、
・●●仕事術、ノートの使い方、ペンの色分け、TODO管理・・・
・エクセル・パワポのスキル・・・
といった、
「いかに早く問題を解くか」(=解の質)
についてまず考えてしまい、
「問いの質」(=イシュー度)
に意識が向いていないことが非常に多いです。
そういった我々ビジネスパーソンの固定観念に、大きな思考のチェンジを促してくれるのがこの本、と言えるでしょう。
1章要約・まとめ:「問いの質」を上げる ~イシューの絞り込み~
ここまで述べた通り、問題を早く解く事よりも、解くべき問題(問い)を絞り込む事が重要です。
かの有名なドラッカーも、以下の様な言葉を残しています。
「重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである。間違った問いに対する正しい答えほど、危険とはいえないまでも役に立たないものはない。」
ただ、書店に並ぶ多くのビジネス書はそのほとんどが、
「いかに解の質を上げるか」「いかに問題を解くスピードを上げるか」
をテーマに書かれており、
「問いの質を上げる」「問題の見極め」
について書かれている本は、この本を除いてほぼないと言っていいでしょう。
書籍の1章では、
「どうすれば質の高い問いを見つけられるか」
「どうすれば解くべき問いを見極められるか」
という「問いの質」の見極め方について、
アプローチの方法、チェックポイント、取り組む際のコツ
など、著者の考え方がふんだんに紹介されています。
2~5章要約・まとめ:「解の質」を上げる ~イシューから答えへ~
一方で「問い」が絞り込まれたとして、その後
・データ分析で途方にくれている
・プレゼン資料にまとめるのに途方にくれている
という、「解の質を高める」方面で苦しまれている方も、たくさんおられると思います。
安心してください。2章以降では、
について書かれています。
特に2・3章で書かれている
「ストーリーラインを組み立て、絵コンテにする」
という部分は、チームで分析・資料作成に取り組まれる際には必読と言える箇所でしょう。
まとめ(こんな方におすすめ):イシューからはじめよ
ここまでの話をまとめると、この本は
・「仕事・業務が効率的に進まない」という問題意識に対して
・「そもそも問題を絞り込む方法」について強調し、更に絞り込んだ後に
・「答えを出すスピードを上げる方法」についても書かれています。
それをふまえ、この本は以下の様な方におすすめです。
おすすめの方①:「イシュー」という考えがこれまでなかった
これまで「いかに早く仕事を終えるか」ばかり考えていて、「いかに取り組むべき仕事を見極めるか」の考えがなかった方
おすすめの方②:「イシュー」の大事さは分かるが、どう見極めれば良いか分からない
イシューが大事なのは分かるが、それでも目の前の仕事に振り回されてしまっていて、絞り込み方が分からない方
おすすめの方③:そうはいっても「解の質」を高める方法も知りたい
そうはいっても定められたイシューを完了するために、「早く仕事を進める」考え方も知りたい方
などにおすすめの本です。
補足までに、実際に読まれた方のレビューも引用させていただきます。
ユーザーレビュー紹介
(※amazonレビューより)
仕事の生産性を高めていきたい、全てのビジネスパーソンに一読いただきたい書籍として、推薦させていただきます。
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