勉強・学び方

我々はなぜ勉強をする必要があるのか? ~勉強をしておいた方が良い理由~

「学校の勉強、特に数学の難しい話なんか、社会に出ても使わないと思うんですけど、なぜ勉強する必要があるんですか?」

昔、塾講師として中高生に数学を教えていた頃に、質問をされることがよくあった。同じ様に考える子供たちは今も多いのだろう。

大体こういった質問に対するよくある親・教師サイドの回答としては、
「そんな事考えてないで勉強しなさい」
「いつか役立つんや」
みたいなのが多いように思う。

つい先日、橋下徹さんもこの様な発言をされたことで話題になっていた。

元素記号やサイン・コサイン・タンジェント、どこで使うの?使ったためしがない。勉強のできる人たちは"そういうのも教養だ"というが、今はインターネットで色々なことは調べられる(AbemaTV『NewsBAR橋下』2019.0101放送分より。文脈を確認されたい方はコチラも参照→https://abematimes.com/posts/5496054)

で、今回私は、こういった「将来使わない、役立たない様な勉強は本当に意味がないのか?」というテーマについて書いてみたい。

ぜひお子様に同様の質問をされて困った経験のある親御様の手助けになればと思う。

三角形の面積

たとえば私が小学生の頃、友達に算数を教えていた時に、こんな事がよくあった。

友人「この三角形の面積の出し方教えてー」
井尻「ああ、それは底辺が4で高さが3だから÷2して面積は6やで」
友人「ありがとー」

友人「じゃあ次のこの問題はー?」
井尻「ああ、それは底辺が5で高さが4だから÷2して面積は10やで」
友人「ありがとー」

友人「こっちはー?」
井尻「ああ、それは底辺が6で高さが6だから÷2して面積は18やで」
友人「ありがとー」

友人「次はー?」
・・・。

これは話を分かりやすくするための極端な例であるが、ここでこの友人に必要なのは、
①物事を抽象化・ルール化する
〇〇→「三角形の面積は『底辺×高さ÷2』である」
②そのルールを別の事例で当てはめる
〇〇→「じゃあ底辺が5で高さが4なら、あてはめてどうなるかな・・」
という思考のプロセスである。これができる様になると成績はどんどん向上する。

今回は分かりやすく「三角形の面積」で例示したが、数学の問題を解く鍵は端的に言えばこの思考プロセスに集約される

台形の面積

たとえば台形の面積なんかも同じで、台形の面積は、
「(上底+下底)×高さ÷2」
で表されるが、小学生にとっては難しいワードが出てくる事もあり、覚えるのが大変な子も多い。

「あれ、最後2で割るんだっけ?」

といった話になりやすい。

ただ、少し自分で考えて「あ!これ三角形を2つ足してる形やん」という事に気付けば、三角形の面積の公式を当てはめるだけで台形の面積は求められる。(※ちょっとこれは考えてみて欲しいので、説明省く)

この様に、「②そのルールを別の事例で当てはめる」には「工夫する力」が必要で、その工夫する力も算数・数学でトレーニング可能である。

訪問営業

ここで場面を、「学校の勉強」から「社会人」に移そう。

皆さんも仕事で、新人や若手に仕事を教える経験がある方なら、こんな事はないだろうか。(たとえば、先輩と新人で一緒に訪問営業に行く様な場面を想定)

先輩「今回A社には、まずこのサービスを提案しよう。その際にはこういうストーリーで話すとうまくいくと思うからやってみよう」
新人「分かりました、やってみます、ありがとうございます!」

・・・(時間経過)

新人「次回はB社に訪問するんですけど、どう話を進めればいいですか?B社については教わってないので分からなくて。
新人「次回はC社に訪問するんですけど、どう話を進めればいいですか?C社については教わってないので分からなくて。
新人「次は・・・」

この「教わってないので分からない」というのが結構やっかいで、確かにその具体例では教えてないんだけど、「自分で考えてよ」というのが教える側の本音だったりする訳です。

この「自分で考えてよ」を具体的に言えば、「1つの例から抽象化・ルール化させて、別事例に当てはめてよ」という事になります。

勘の良い人はお気づきの通り、学生時代に「次の問題はどう解くの?」「次の問題は?」と言っていた人が大人になれば、この様な社会人になる可能性は高いでしょう。

という訳で、「なぜ勉強するのか」の私の答え

ちなみにここまでで解説した能力は勉強でなくとも、例えばスポーツでも会得できる。「ストレートの打ち方は教わったけど、カーブの打ち方は教わってません」なんて言っている人はほぼ成長しないだろう。

ただ、私はこの社会人として必要となる「抽象化」と「転用」の力を学ぶために、勉強は適切な素材と考えている

明確に数値で可視化される事や、大きな目標設定が明確である事、競争環境が分かりやすくある事など、取り組む動機付けがしっかり準備されているからだ。

という訳で、冒頭の「学校の勉強、特に数学の難しい話なんか、社会に出ても使わないと思うんですけど、なぜ勉強する必要があるんですか?」という問いに対する答えをもし私がするとしたら、

「社会に出ると様々な解法も答えも分からない様な問題に向き合い続ける必要がある。今のうちに難しい問題に取り組む練習をしておくと、社会に出てから活かせる強力な筋肉になるんだよ」

と答えるでしょう。(反応を見て、抽象化と転用の話も加えるかも)

皆さんもぜひ勉強は無駄どころか有意義でしかない事を自信を持って伝えてあげて欲しいし、私も子供が大きくなったらそう伝えるつもりである。

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