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36歳の誕生日に思うこと

「井尻はもうちょっと色んな世界を見たらいいかもね。考え変わると思うよ。」

 

本日36歳になるにあたって、ふと思い出したことがある。

 

20代の頃、ある先輩と飲んでいたときに言ってもらった言葉だ。そのときはちょうどその方と2人で飲んでいて、

 

「将来どうしたいの?」

 

と、そんなことを飲みながら話す雰囲気になり、

 

「(あぁ、これは真面目に話すパターンの飲みだな・・・)」

 

と少し背筋を伸ばしながら、自分としては大真面目に、

 

「そうですね・・・。人に何かを教える仕事をずっとしてたいです!」

 

おそらく目を光らせながらそんなことを言い切った記憶がある。
それに対して返ってきたのが冒頭のセリフだった。

 

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時はさかのぼり、小学校の頃。

 

当時通っていた地元の学習塾で2~3学年ほど先の内容を教えてもらっていたこともあり、色んなクラスメートから勉強についての質問をもらうことが多かった。なかには、

 

「なぁ、僕、なんでできるようにならへんのかな・・・。」

 

と、勉強「なんか」で本気で泣いてしまうような人もいた。

 

なんとかしてあげたいなと思った。

自分が教えることで、また友達が楽しい気持ちになるのだとしたら、それは自分がすごく役に立っていることのように思っていた。

 

なんとか、力になりたい。
そう思って小1から高3までの12年間、友達にたくさん教えてきた。

 

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当時は教え方がうまくなくて、反省の気持ちがある。

 

「ごめん、もっかい教えてもらってもいい?」

 

うまく教えられなかったことも、たくさんある。

でも経験を繰り返す中で、

 ・まず簡単な問題の解き方を教える
 ・自分で解いてもらう
 ・正解して、自信を付けてもらう
 ・次の難易度の問題にチャレンジしてもらう
 ・ちょうど良いくらいのヒントを出す

といったことが大事だなぁと。

当時、まさかこんな風に工程を言語化できていたわけじゃないけど、無意識でそんなことをやっていたと思う。

 

この工程がうまくいくことを楽しみ、うまくいかないことを悔いるような、そんな12年だった。

 

そして、当時教壇から教える学校の先生の教え方を見ながら、

「いきなりそんな難しいこと言っても伝わらへんやろ・・・。自分やったらもっとこう教えるけど」

と考えているような、嫌な生徒だった(笑)

 

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教えることは、とてもやりがいを感じることだった。

 

「ねー、解けたよ!あの問題、できるようになったよ!」

 

頼んだわけもないけど、嬉しそうに報告がある。

「あれ、さっき泣いてなかったっけ?」

とか思いながら、

 

「よかったやん。まあまた頑張って」

 

素直に喜ばないのは、今も昔も変わっていない。

 

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もう一度冒頭の飲みのシーンに戻ろう。

 

「人に何かを教える仕事をずっとしてたいですね」

 

と言った後、

 

「井尻は、もうちょっと色んな世界を見たらいいかもね。考えが変わると思うよ。」

 

その日は帰宅した後、「教える情熱が薄まるときも来るのかなぁ」なんて思いながら、なかなか寝付けなかったのを覚えている。

 

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今日、36歳になった。あれからもう10年以上である。

 

不思議なことに「教える仕事をしたい」という気持ちはまだ全く色あせない。

 

それどころか、この仕事のどこまでいってもたどりつけない深さが、楽しくて仕方がなくて、今も明日の夜の講義の準備をしている。

 

きっと「色んな世界」を見れなかったんだろう。

 

でも今は、
「もっと教えてください」
と言ってくれる人が周りにいるので、その人に向けて時間を投入するばかりである。

 

次の12年も、頑張っていこう。

もっと、「うまく教えられる」ように。

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