■小室さんの不倫報道
2018年1月に小室哲哉さんの不倫が週刊文春により報じられ、
小室さん自身の会見により引退が表明された。
週刊文春では、これまでも多くの方の不倫報道がされ、
当事者はその度にバッシングを受けて来た
(ベッキ―や乙武さんなど、みなさんもすぐに多くの当事者の
名前が思い浮かぶのではないだろうか)
ただ今回の小室さんの件については、少し世間の反応が違うようだ。
「奥様の介護で疲れていた小室さんがかわいそう」
という意見が多くを占める様に感じる。
では本件は、これまで報道された人達のケースと何が違ったのだろうか。
そこから、思考においてとても重要な「前提を疑う」という事について論じてみたい
■演繹的な論理展開
これまでの不倫報道とそれに対する世間の反応の多くは、
以下の様な演繹的アプローチで成り立っている。
(言葉の難しさはあまり気にしなくてよい)
・Aさんは不倫をした(事実)
・不倫は悪い(前提)
・Aさんは悪い(結論)
では、今回の小室さんの件では、
なぜ上記結論とは異なると思われる反応が多く見られるのだろうか
■前提には、成立条件がある
前提を考える際には「成立 / 非成立条件」を考えると良い。
例えば先の例では、「不倫は悪い」という前提が、
(一般に)どういう条件下で成り立ち、どういう条件下では成り立たないのか
を考える必要がある。
今回は多くの人が
「介護で疲れている、といった条件下では、不倫は一概に悪いと言いきれない」
「頼りたい存在を外に求めるのも理解できる」
と判断した、と取れる
■前提の過信には気を付けたい
ぜひ意識しておくと良いのが、我々が「こうに違いない / こうに決まっている」
と思っている前提について、
・実はこんな場合は成立しないのでは?
・こういう状況なら成立しないこともあるかも?
と、改めて前提の成立を疑ってみることだ。
特に、相手と話していて前提がすり合わない時は、
お互いの経験・価値観の違いなどから、「成立条件」がズレている場合が多い
今回の例でいくと、
・介護を経験した人とそうでない人
・不倫・浮気を(どちらかの立場で)経験した人とそうでない人
で、恐らく前提の成立条件がやや変わるのではないだろうか
相手と話していて前提が噛み合わない時には、
無理に自分の論を押し切ろうとしたり、感情的になるのでなく、
「この前提が成立しないという事は、どんな経験をお持ちなのだろう?」
と虚心坦懐に考えてみることがオススメである。
そうすると、少し冷静・客観的に議論が進むことになるのでは、と思う
(このテーマ、特に不倫を題材にする必要もなかった気も、、笑)