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話を「短くするか vs 長くするか」 論争 ~相手に話が「伝わる」ために意識していること~

「仕事において話は端的に伝えた方が良いと思うのですが、相手に理解してもらうために具体例とかを入れると、どうしても長くなってしまって・・・。このトレードオフをどう考えると良いですか?」

論理思考の授業をしていると割とよく出る質問。

みなさんも仕事をされていて、
「この人話が長くてよく分からないな・・・」もあれば、
「この人話が抽象的(端的)過ぎてイメージつかないな・・・」もあるし、
両方を経験されている方が多いのではないだろうか。

「話は短くするのが良いか、長くするのが良いかこのテーマについて考えてみたい。

長い話

まず、話を聞いていて「長いな・・」と感じるのはどんな時だろう?

実は、単純に「話の時間が長い」時にそう感じるのではなく、「聞く必要がない」と思っている話の時にそう感じやすい。

たとえば、
「私は大学時代、サッカーをやっていました」
「まずサッカーについて説明させて頂くと、サッカーというのは11人でやるスポーツなんですが、役割としてオフェンスとディフェンス等があり、ゴールに向かって1つのボールを、、」
という話が始まった途端に、「長いな・・」と感じてしまうだろう。

必要がない話をcutする、事で話は短くしていく必要がある。(※ここではサッカーのルールは相手は知っているという前提)

短い話

一方で、「短くてよく分からないな・・・」と感じるのはどんな時だろう?

たとえば、
「大学のときに仲間と起ち上げたサークルで凄く良い経験ができました」
「人と人とのネットワーク構築を加速させる取り組みをしていました」
「ネットワーク創りで重要なのは場づくりで、参加者の能動性を担保したのが成功の要因だと思います」
と、ここまで(割とボリュームとしては)長い話を聞いたとしよう。皆さんはどうお感じだろう?

「うーーん、なんとなく分かったけど、よくイメージ付かないな」という感じで終わるのではないだろうか。

必要がある場合には、しっかりと具体例を追加して話す事で、話を長くする必要がある。

たとえば、
「大学のときに仲間と起ち上げたサークルで凄く良い経験ができました」
「具体的には、サークル所属メンバーに "企画・会計・運営" 等の役割を1人1人に与え、自覚を持ってもらう事で能動的に動いてもらう事に成功し、結果的に "全員でサークルを作っている" という雰囲気がメンバー同士の繋がりをより強固にしました・・・」

くらいまで話せると、ようやくイメージが付いてくる、というものだ。

私が話す際に意識していること

ここまでの話をまとめると「相手が聞く必要のない時は短く、相手がピンと来てない時は長く」ということだが、私が普段意識しているのは「まずは端的に言ってみる」という事。

意外と話が「具体・具体・具体 → 抽象」と進むシーンが仕事をしていても多い。「Aであり、Bであり、Cであり、Dであって、、、つまり私が言いたかったのはPという事です」みたいな話し方である。

この時、もし「一言で言えばPです」だけで相手に伝わるなら、前段を説明した時間はもったいないし、相手の関心を引く事もできない。

「一言で言えばPです」だけでは伝わらない場合にのみ、A、B、C・・と話を追加していけば良いのだ。

特に気を付けたいのは、事前にしっかりと具体例を準備した時である。なぜなら「せっかく準備したから・・」と、つい言いたくなるという事がよくあるから。大事なのは「伝える」のでなく「伝わる」こと。当日その話が必要なさそうなら、どれだけ頑張って準備した話でも思い切って削除する勇気が大切だ。

伝わったかどうかをどう見極める?

ただそうなると重要になってくるのは「今回は話を追加する?はたまたここで止めていい?」という見極め、これが非常に重要となる。

下の図で言うところの具体と抽象のレイヤーを見極めること。

このレイヤーの見極め、皆さんは普段どうされているだろう?
私が意識していることを紹介しておく。

表情から探る

聴き手の表情にはたくさんのヒントが隠れている。

伝わってない時はうなずきが止まったり眉間にシワが寄ったりというのが典型的には起こりやすい。

ただ、稀にうなずいてはくれているが伝わってない、というパターンもある(笑)この辺りは経験値になるが、そういった場合でも「何かうなずくタイミングが早すぎ」たり、「うなずくタイミングがそこじゃない」だったり、といったヒントが隠れている事が多い。

質問する

「一言で言えばPです。イメージ湧きますか?」といった具合に、「ここまでの話大丈夫?」という事を質問したり、ダイレクトに「どんな例をイメージされます?」と確認の問いを入れる事も有効である。

ここで相手が話に詰まってしまったり、または良い例が出なかったら、こちらから具体例を補足していくと良い。

間を空ける

これはたとえば、
「サッカーって、それぞれに役割があるんですよ。」
「(ちょっとした間)・・・」
「あー、オフェンスとかディフェンスとかキーパーとかね」
「そうですそうです」

と、会話が流れていくイメージ。
この流れができたらしめたもので、相手の理解度が確認できるので、具体例を追加せずに次の話に進む事ができる。

まとめ

今回の話を端的にまとめると、

・話は「長い方が良い」or「短い方が良い」という二元論ではない
・要は、相手に応じて抽象度(具体度)のレイヤーの見極めが必要
・いったんまずは一言で言ってみる
・そこから話を足すかどうかの見極めは、表情を参考に、質問や間なんかも使ってみる

という内容について書いた。

あとこの辺りのコミュニケーション系の話は、日々の実践あるのみ。少しずつでも意識して頑張ってみてほしい。

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