仲間や同僚にお願い事をする時に、どこまで具体的に内容を伝えるべきだろうか。
この「指示の具体性」について考えてみたい。
指示をどこまで具体的にするか
例えば「お客様をもてなすため、何か買ってきて欲しい」という状況で考えてみよう
①今からお客様が来られるので、何か買ってきて
②今からお客様が来られるので、お菓子買ってきて
③今からお客様が来られるので、銀座の○○という店でお菓子買ってきて
④今からお客様が来られるので、銀座の○○という店で○○円以内で、
○○と○○が詰め合わせの中に入ってあるもので、ラッピングは○色に
してもらったものを買ってきて
といった具合に、指示はどこまでも具体化できる。
では、どこまで具体化すると良いだろう。それをどの様に判断すると良いだろうか。
指示を具体化するメリットとデメリット
上述の①の指示では、何を買ってくるか分からない、
もしとんでもなく高い物を買ってきたらどうしよう、といった不安がつきまとう。
一方で④で良い指示かといえば、どうだろう。
受けた側としてはミスできない緊張感、信用されていないという不信、
加えて今後同様の指示があった時、彼は何も考えずに今回のお菓子をこの通りに
買ってくる事になるだろう
つまり、指示を具体化するメリットとデメリットは以下の様に整理される
▼指示を具体化するメリットとデメリット
メリット | ・正確性・再現性が増す ・受け手は何をすれば良いかのイメージが湧く |
デメリット | ・信用されていないんじゃないかという不安・不信 ・自主性が奪われる事によるモチベーションの低下 |
指示の具体度は、リスク許容度とトレードオフ
では、「指示をどこまで具体的にするか」はどう判断すると良いのだろうか。
基本的には指示の伝わりづらい点は具体化すると良いだろう。
ただ、具体化しすぎると相手に不信を持たれたりモチベーションの低下を招くため、
・ミスのリスクが高い部分は優先的に具体化する
・一方でミスの許容度が大きい(ミスしてもそんなに問題ではない)
部分はそこまで具体化せず、相手に任せる
という事を意識することが大切だ
つまり、指示の具体化とミス許容度はトレードオフの関係にある。
例えば、こんな指示。
「お客様が来られるので、1500円以内くらいの洋菓子を何か買ってきてもらえる?」
・ここでは、洋菓子の種類が何になっても許容する
・ただ、費用の制約は許容できないため、伝える
・もし、このお客様にアレルギーがあるなら、リスクが高いため、その点の指示を具体化すべき
・正直、包装の色などは、指示を出す側の好みである場合が多い
具体化した際は、伝え方にも注意
ミスのリスクが高い時は、どうしても指示が具体的に細かくなってしまう。
そうした時にも、ぜひ相手の心理ストレスを解消するため、
「なぜ細かく指示しているか」の理由に触れてあげると良い。
「そのお客さん、卵アレルギーだから、敢えて細かい指示になっているんだけど・・・」
といった形である。
そうすると受け手としては、自分が信用されていないのでなく、
別の大きな理由で細かく指示されている、ということへの納得感が生まれやすい
まとめ
・指示はできるだけ具体的に出すと良い
・ただ、具体化しすぎると相手に不信を持たれたりモチベーションの低下を招く
・故に、リスク許容度が高い場合にはある程度曖昧さを残した指示にして、
相手に考える余地を残してあげよう
といった事を、明日からの指示出しの際には意識してみて欲しい