「『説明』のうまい人が心がけていること」というこのタイトルで記事を書くのは2回目となります。
前回は、一言で言えば「説明がうまい人」は「難しい・深いこと」を「分かりやすく」説明することができる。ということを書きました。(※詳細は前回記事を参照)
今回の記事では「では難しいことを分かりやすく説明するにはどんなことを意識すると良いのか」について書いてきます。
これまで出会ってきた講師の諸先輩や、著名人の中でもロールモデルが何人かいて、その分析と試行を日々行っている中で、私が意識している工夫について書きます。
まず今回の範囲は、「説明の冒頭 / 説明の始め方」にフォーカスします。
「なんだ冒頭だけ?」と侮るなかれ。「良い説明」をするためには冒頭はめちゃくちゃ大事です。皆さんも「普段の『説明』の場面でどんな風に使えそうかな」と考えながら読んでいただければ幸いです。
説明の冒頭①:基本
まず「説明の冒頭・始め方」として、ここは必ず押さえておきたいポイントを3点挙げます。
テーマと背景を言う
説明の冒頭では、これから説明する話の「テーマ」と「なぜそのテーマを話すか」の背景をまず言いましょう。
「今から●●について説明していきます」
「この話をする背景には、・・・ということがあります」
NG例:
「あの件やけど、すぐできるって言ってたわ!」
「これからチーム変更の話をしますね。●●さんは別チームに異動です。次に■■さんは・・・」
NGとして挙げた例だと、そもそも説明を聞こうとする「態勢」が整わず、「え?あの件ってどの件やっけ?」だったり「え?なんでその話急に出てきたの?」という疑問・不安から、そのあとの説明が全く頭に入ってこなくなります。
説明の冒頭では、「テーマ」と「そのテーマを話す背景」をしっかり言いましょう。
到達点を示す
今回の説明で「どこまでの到達を目指すのか」を初めに示しておきましょう。
「今日のところは耳に入れておいてもらうだけで十分です」
こういった「到達点」を初めに言ってもらえずに話が進んでいった場合、相手は「え?今日はどこまで分かればいいんだろう・・・?」「あれ、私はこの話を聞いて何を求められてるんだろう・・・?」といった不安・懸念を持ったまま、これまた説明が全く頭に入ってこなくなります。
説明の冒頭では、「到達点」をしっかり言いましょう。
全体像を示す
これからする説明の「全体像」を初めに示しましょう。
「DとEについては次回に回すので、今日は気にしなくて大丈夫ですよ」
こういった「全体像」が初めに聞けると、相手は「説明の大枠・骨子・全体地図」を持った上で聞くことができるので、スムーズに話を頭に入れていくことができます。
説明の冒頭②:応用
続いて、説明冒頭の「応用編」として、「聞き手を話により引き込みたいとき」に押さえておきたいポイントを2点挙げます。
相手にとってのメリットを言う
この説明を「相手が聞く意味・メリット」を伝えましょう。
「ここが分かれば●●さんの仕事の効率がグンと上がるのでぜひ聞いてくださいね」
話の冒頭にこういった「聞いたらいいことありそう」「聞いておいた方が良さそうだな」と思わせる一言があるだけで、聞き手はグッと説明にのめり込んでいきます。
自分がここで話す意味を伝える
この説明を「自分がする意味」を伝えましょう。
「私は日々このテーマについて●●という経験をしていて・・・」
話の冒頭にこういった「お、ならこの人から聞きたいな」「この人から聞いたら良いことありそう」と思わせる一言があるだけで、聞き手はグッと説明にのめり込んでいきます。(2回目)
まとめ:説明の「冒頭」編
まず今回は「『説明』のうまい人が心がけていること」のうち、「説明の冒頭 / 説明の始め方」という範囲で意識すると良いポイントについて書きました。
以下にまとめを整理しておきます。
【基本】
・テーマと背景
・到達点
・全体像
【応用】
・相手にとってのメリット
・自分がここで話す意味
皆さんも普段の『説明』の場面で、チェックリスト的に使ってもらえればと思います。
次回は、いよいよ「説明の本編」で意識すべきことについて書いていきます。感想やコメントいただけると、書く気力に繋がりますので、SNS上で一言でもいただけると嬉しいです。