以前の記事にて、「ファシリテーションとは何か?」その意味合いについて書きました。
今回の記事では、
「ファシリテーションが大事なのは分かったけど、仕事で実際に活かすためにはどうすればいいんだろう?」
という次なる関心をお持ちの方向けに書いていきます。
先の記事でも書きましたが、ビジネスで「ファシリテーション」ができるようになれば、
・決まらずに回数が何度も重なる会議
・決まったことが、全然実行に移されない会議
といった悩ましい状況を打破し、
・あー、今日は良い会議だったなぁ
・今日決めたいことは全部決まったな
・よし、やってやろう!
という、組織として前向きに成果を目指す状態が実現できます。
この記事では、「ファシリテーションで今すぐ使えるポイント・コツ」について、私の講師としてのファシリテーターの経験もふまえて書いていきたいと思います。
目次
会議の3フェーズ:ファシリテーションの全体像
本題の説明に入っていくにあたり、まず「会議」を大きく3つのフェーズに分けて考えていきましょう。
・②本論:会議の議題について議論しているとき
・③終盤:最後、会議を終えるとき
の 3フェーズ です。
それぞれのフェーズにおいてファシリテーターが意識すべきことや、どのようなコツ・ポイントがあるか、1つ1つ紹介をしていきます。
①会議「冒頭編」:すぐ使えるファシリテーションのスキル・コツ
テーマを確認する
会議が始まったらまず、その会議の「テーマ」を確認しましょう。テーマとは、
「この会議は何について話すのか」
を指します。会議の冒頭で会議テーマについて参加メンバーと共通認識を持つことが大切です。
当たり前のことのようですが、意外と参加者間でテーマの認識がズレているというケースはよくあります。
まずはじめにこのテーマ認識を揃えないと、同じ土俵での議論はスタートしません。
ゴールを確認する
また、この会議の「ゴール」の確認も大切です。
ゴールとは、テーマについて話し合った結果、
・会議をどんな状態で終わりたいのか
・何をどこまで決めたいのか
といったことを指します。
会議において、このゴールイメージが揃っていないことも多く、それによって
・議論の切迫度が変わる
・何をどこまで話せばいいか参加者が迷う
など、参加者間で会議のペースにズレが生じることがあります。
前提・背景を補足する
ここまで記載した「テーマ」と「ゴール」を冒頭で伝えても、ただ伝えるだけでは参加者がそのテーマやゴールに「簡単に合意してくれない」場合があります。
「なんでそのテーマを話すことになってるんだろう?」
「なんでそんなにゴールを急いでるんだろう?」
といった疑問を参加者が持った状態では、なかなか積極的な議論はスタートしません。
・なぜこのテーマなのか?
・なぜこのゴールなのか?
について、
・前提として・・・ということがあり、、、
・背景には・・・があって、、
といった、この会議にいたるまでの前提や背景の説明により、メンバー全員の視界をそろえていくことが大切です。
②会議「本編」:すぐ使えるファシリテーションのスキル・コツ
受け止める
会議が始まったら、参加者からたくさん発言を受けることになります。
その際、参加者が発言をしてくれたら、まず「受け止める」意識を持ちましょう
・「なるほど」「仰る通りですね」といった同意
・「確かにそうですね」「分かります」といった共感
・「良い案ですね」「すごくいいですね」といった称賛
などで、相手の発言を受け止めることが大切です。
その際に難しいのは、
・自分とは異なる意見
・会議テーマに即さない発言
などが出たときです。ただそういった時にも、
「ご意見ありがとうございます。」
「その件も別でぜひ話しましょう」
など、受け止められるポイントを見定めた上で、受け止めようとすることが大事です。
なぜなら、会議で参加者と円滑・活発な議論をするにあたり、発言のモチベーションを保つことは非常に大事だからです。
逆に言えば、これを疎かにすることで簡単に発言は出なくなり、沈黙の会議に陥ってしまいます。
理解・確認する
相手の発言を受けたら、
「なるほど、・・・ということですね」
「あー、・・・という理解で合ってますか?」
といったように、発言を繰り返したり、イイカエたりしながら理解・確認をしましょう。
これを行う意図としては、
・進行者として、相手の発言を自分がしっかり理解する
ということはもちろんですが、
・参加者全員がその人の発言内容を反芻し、場の共通認識を創る
ことが挙げられます。
適切な「理解・確認」により、参加者全体がスムーズにテーマ・ゴールに向かっていくことに繋がります。
リマインドする
会議の途中、議論が盛り上がったり白熱したりすることで、冒頭に決めたテーマやゴールから議論が逸れていくことがあります。
そうならないよう、適宜「会議のテーマやゴール」はリマインドするようにしましょう。
「今日のテーマは・・・でした」
「今日のゴールは・・・なので、」
といったイメージです。
ただ、こういったことを何度も伝えることがその場において「角が立つ」ような場合には、
・ホワイトボードに書いておく
・メールで事前に共有しておく
など、全員が立ち戻れる仕組みを準備することも有効です。
③会議「終盤編」:すぐ使えるファシリテーションのスキル・コツ
議論した内容を確認する
会議が終わるときには、
・当初のゴールに照らして、この会議でどこまで到達したのか
・この会議で決まったこと / 次回に持ち越しになったこと
・アクションが出た場合、誰がいつまでにやるのか
などを、丁寧に確認しましょう。
会議の最後に参加者全員と上記を1つ1つ確認してみると、思った以上にファシリテーターと参加者で認識違いやモレが発見されるものです。
私の経験上でも、「ちょっとやりすぎかな」と思うくらいに内容確認をするくらいでちょうどいいと思います。
モチベートする
そしてこれは「できれば」トライしてみてもらいたい事ですが、最後に参加者のモチベーションを奮い立たせるような言葉をかけてみましょう。
たとえば会議後にアクションがあるような場合において、
「・・を任せられるのは●●さんしかいない」
「・・が実現すれば、組織にとっても大きな価値がある」
など、意義やメリットを伝えることで、参加者の会議後の行動を促すことに繋げましょう。
ファシリテーションのスキル・コツを発揮するために
ここまで、会議を3つのフェーズに分けて「ファシリテーションのスキル・コツ」を記載しました。
ただ、こういったことを会議当日、瞬発的に実行することはなかなか難易度が高いです。
なぜなら、会議は始まってしまうと
・テーマもゴールもいきなりは言語化できない
・会議中、予期せぬ意見や理解できない発言が出て焦ってしまう
・そうしているうちに時間切れとなり、ゴールにたどり着かない
といったことがよくあるからです。
こうした事態を避けるために大事なことは、1にも2にも「準備」です。
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ファシリテーションのスキルを磨き、普段の会議をよりよくすることで、仕事をより楽しいものにしていきましょう!