勉強・学び方 新社会人・若手

どんな事からでも学ぶ人が持つ「転用力」とは

ビジネススクールで講師として、
年間1,000人以上のビジネスパーソンに講義をしていると、

「あ、この人成長する人だな」

というのは大体分かる。

全く同じ講義を受けても、
上手に学べる人と学べない人がいる。

それを分けるのが「転用力」を持っているかどうかである。

転用力とは

たとえば、具体的な例で説明してみよう。

とあるセミナーに参加したAさんとBさん。
そこで講師からこんな話がありました。

講師
人前でプレゼンをする時に、冒頭で伝えるといい事としては、まずプレゼンの全体像と概要・要約を伝えるといいよ

2人の反応は、どうやら両極端のようです。

A さん
自分は人前でプレゼンする機会なんてないし、せっかく来たセミナーだったけど、自分と全然関係ない話で時間の無駄だったなぁ。もっとメール作成とか文章の話があれば良かったけど。アンケートにも書いておくか
Bさん
なるほど!確かにコミュニケーションの冒頭には全体像と要約があると聞きやすいよね。私はメールでのコミュニケーションが多いけど、メールの冒頭でも使えそうな話だったな。来て良かった!まず使ってみよう



皆さんは2人の違いがお分かりだろうか。

1つの事例や情報に接した時に、
「それは自分の状況ならどう当てはめられるだろう?」
と考える、

このBさんの考え方こそが「転用」である。

なぜ転用する力が大事なのか

Bさんの様に転用する力はなぜ大事なのだろうか。

時間効率

1つには、時間効率の良さが挙げられる。
もし転用をせずに仕事をしようとすると、
経験した事のない仕事をする際には、毎回やり方を聞く事になる。

「今回のバージョンで教わってないので出来ません」
「今回向けのやり方を教えてください」

と毎回やっていると、時間がいくらあっても足りない。

新しいことへの挑戦

もう1つには、新しい事への挑戦ができる事が挙げられる。
転用ができる様になれば、

「前の仕事での考え方を応用してやってみよう」
「この前本で読んだ事を自分なりにアレンジして使ってみよう」

と、どんどん自身の仕事の幅を広げていく事ができる。

転用するために意識すべきこと

この転用する力は、日々の意識付けで癖にしていくしかない。

私は朝、ニュース番組を見る事が多いが、
司会者がコメンテーターに話を振るのを見て、
「あ、もっとこういう聞き方すれば良いコメントを引き出せるのにな」
というファシリテーションの視点で見ているし、

youtubeで国会中継を見ながら、
「あ、今の論点は〇〇だったのに、△△にすり替えたな」
と考え、論理思考の訓練に役立てている。

この様に我々はどんな事からでも学べるし、
一方で意識しなければ何も学ぶ事はない。

みなさんも日常で接している情報に対して、
「自分の仕事に何か転用できないかな?」
と、ほんの少しからでも意識してみてはどうだろう。

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