人とコミュニケーションを取る場面において、我々はつい
「伝える」と「伝わる」の混同
をしてしまうことがあります。「プレゼンテーション」と呼ばれるような、中身を作り込まないといけないような状況だと特に顕著にそれは起こりやすくなります。
「伝わる」は相手が主語ですが、「伝える」は自分が主語です。
コミュニケーションにおいて、「自分が伝えたのかどうか」が優先されてしまうと、たとえばお客様に重要事項が伝わってなかった時に、
という反応をしてしまったり、たとえばプレゼンの後に聴き手の反応がよろしくなかった時に、
といったような、
「私は伝えたんだけどなぁ・・・」
という、聴き手のせいにする反応をしてしまうことになります。
「伝えた」からといって「伝わった」とは限りません。
では
「伝えたのになぜ伝わらないのか?」
その伝わらない理由について、いくつかのパターンを紹介していきたいと思います。
目次
①プレゼンテーションの目的は、多く伝えること?
1つ目が「多く伝えてしまって、伝わらない」というパターンです。
一度にたくさんの事を伝えてしまうーーー。
例えば、新規顧客への営業訪問で、「相手は自社のことをまだ何も知らない」という状況で、
・自社の歴史
・商品ラインナップ
・各商品の特徴
・購入金額
・購入後のアフターケア
といったこと全て詳細まで説明してしまうといったことがそれにあたります。
情報量が多いと聴き手も処理し切れないし、1つ1つの情報の残存率も下がる事になってしまうでしょう。
意識したいのは、
〇・今こそ伝えるべき話か?
〇・次回に回しても良い話ではないか?
という視点を持つことです。
②プレゼンテーションの目的は、難しく伝えること?
2つ目に「難しいから伝わらない」というパターンです。
話の難易度を調整せずに伝えてしまうーーー。
例えば、自分の持つ知識・経験量が豊富な事を誇示したくて、聴き手にとって難解な概念や言葉(特にカタカナコトバetc)を得意気に使ってしまうといったことがそれにあたります。
たとえば、
「QCDで商品を紹介させていただくと・・・」
「このプロダクトはサスティナビリティも意識して作っておりまして、、」
「御社にアジャストしてカスタマイズしたプロダクトもデリバリーできます」
といった説明は、内容が分からないことはないものの、こういう表現をする必要性が高くない場面が多いです。
こういうタイプの話し手は、
「それはどういう意味ですか?」
という質問に対して、
「あ、ご存知ないですか?あー、そこからですね」
といった様な反応になる事が多いのもやっかいです。
意識したいのは、
〇・その言葉が聴き手にとって難しくないか?
〇・難しいとすれば、どこまでかみ砕くと良いか?
〇・どんな言葉に言い換えると良いか?
という視点を持つことです。
③プレゼンテーションの目的は、話を飛ばして伝えること?
3つ目に「話が飛んでいるから伝わらない」というパターンです。
文脈や背景の説明を飛ばし、内容を伝えてしまうーーー。
例えば、定例会議に新たに加わったメンバーが今回は参加しているのに、
「例によって●●の続きから話すと・・・」
といった風に話を進めてしまうといったことがそれにあたります。
まず大前提として意識したいのは、
・今回の話の背景
〇・ここまでの話の前提
を伝えてから本題に入るようにしたいところです。
まとめ:プレゼンテーションの目的は「伝わる」こと
大事なのは、伝えることではなく伝わることです。
そして、伝わらない理由としてこの記事で、
〇①話が多い
〇②話が難しい
〇③話が飛んでいる
という3つの典型パターンを紹介しました。
ついつい自分が「伝えたつもり」でも相手に「伝わってない」事は多いです。
自分の話に対して相手から思うような反応が得られなかったときに、
「上の3つのどれかに当てはまっているのではないだろうか」
と、チェックポイントとして、ぜひ一度振り返ってみていただければと思います。