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話の『冒頭』をどう作るか ~冒頭に入れておくべき3つの要素とは~

メールを書く時や提案資料を作る時、また、上司に報告をする時。意外と悩むことが多いのが「冒頭をどう伝えようか」という点である。

我々は「本論」をしっかり作りこもうとするあまり、この「冒頭」を軽く見てしまったり、最後にやっつけで考えてしまったりしがちである。ただ、案外相手はこの「冒頭の内容」から読む・読まない、聞く・聞かないの判断をするものである。

そこで今回、この「話の冒頭をどう作るか」について書いてみたい。

ぜひ皆さんの日々のコミュニケーションで活かせる点がないか意識しながら読んでみて頂きたい。

①背景や前提を飛ばさない

事例①「前回の打合せで伺ったお話を踏まえ、Aというサービスを提案します。このAというサービスの内容と費用、使い方について順を追ってご説明していきます。まずサービスの内容ですが・・・、」

この事例では、Aというサービスをしっかり提案したいという気持ちがよく伝わってくるが、こういう時によくある相手の状態としては、

「あれ、『前回伺ったお話』ってなんだっけ?」

といった状態である。

相手もあなたとばかり話をしている訳ではない。自分が話したからといって確実に全て覚えているとは限らない。

話の本論にどっぷり入っていく前に、相手に共有したり思い出してもらうべき背景や前提はしっかり冒頭で伝えておこう。冒頭では話の背景や前提を飛ばさない事が大切だ。

②本件の重要性を伝える

事例②「本日の勉強会では、メールでのリスク管理について話します。本日の内容は3点、送信先確認、送信文面確認、添付内容確認、について述べていきます。それでは1つ1つ説明に入らせていただきます。

この事例では、勉強会で伝えたい内容の全体像は理解できるのだが、こういう時によくある相手の状態としては、

「これから何が話されるかは分かったけど、そもそもなんでこんな勉強会が開催されてるんだっけ?」

といった状態である。
こういった状態であれば、なかなか話が頭の中に入ってこない。

たとえば、

「昨今、メールの誤送信による機密情報の他社への送付といった重大事案が複数発生していて、企業として大きなリスクなので、この勉強会を開催する運びになりました」

などといった言葉が冒頭に入ると、グッと相手の聴く姿勢も強まる。冒頭では話の重要性を伝える様にしよう。

③相手に期待する反応を先に示す

事例③「部長、さっき訪問してきたお客様から話を聞いてきたのですが、先方社内で意見が割れている様で、当社の提案に賛成派と反対派がいるみたいです。私としては力を持っている先方担当者と毎日電話でやり取りをしているのですが、まだ先方社内で意思決定がされていません。つきましては・・・」

この事例で、この辺りまで説明を聞いた時によくある相手(ここでは上司)の状態として、

「で、俺はこの話聞くだけでいいの?何かアクションするの?」

といった状態がある。

この様な状態になると、気になってしまって話を十分に聞けない。

たとえば、

「部長、値引き可否の判断をお願いしたく、その背景として、今先方で起きている事をご説明させてください。」

といった言葉が冒頭にあると、相手もどういうモードで本論を聞けば良いか明確になって聞きやすい。冒頭では相手に期待する反応を伝える様にしたい。

まとめ

今回は、話の冒頭に相手に伝えるべき事として、

①共有すべき背景や前提
②本件の重要性
③相手に期待する反応

を挙げた。

論理思考を学んでピラミッドストラクチャーの考えを知ると、つい本論の作り込みに夢中になり、こうした【冒頭】の作り込みが片手落ちになるケースが多い。

たかが冒頭、されど冒頭。何か皆さんのストーリー作りのヒントになれば幸いである。

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