仕事で委託先を選ぶ時や、プライベートでも生命保険会社の選択する時など、何か比較検討する際に、提案者から以下の様な資料が出てきた経験はないだろうか?
そう、まるでその提案が、他に比べて完璧であるかの様な提案である。ただ、この様に過度に完璧に見える提案が来たら要注意だ。
恐らく多くの人が、これを見て逆に「ほんとかな?」と懸念を持つのではないだろうか。
しかし、提案する相手を前にして何をどう疑ってよいか分からない場面も多いと思うので、今回その疑い方について書いてみたい。
①評価軸のユレ
こういった資料が出てきた時に疑うべきPointは大きく3つくらいある。
まず1つに、評価軸のユレを疑うと良い。
提案者: 〇「当社はC社やD社よりも初期費用はかかりますが、維持費も含めると5年トータルの費用は最も安くなる様なサービスです」 私: 〇「え?「費用」って「トータル費用」っていう意味なんですか?上司が初期費用を気にしてまして、、」
という様な、曖昧な表記の評価項目によって認識がズレる事はよくある。
更にひどい場合は、その意味が都度変化していることもある。
私: 〇「ちなみにN社はトータルの費用どのくらいなんですか?」 提案者: 〇「トータル費用は当社と同じくらいですが、N社は初期費用が当社以上にかかります。なので当社より低い評価をしています」 私: 〇「え?「トータル費用」で評価しているんじゃなかったですっけ?」
まずは評価項目が具体的に何を指し示しているかは確認しておきたい。
②判定基準のユレ
2つ目に、判定基準のユレを疑うと良い。
提案者: 〇「当社は業界No1の効果を誇ります。」 私: 〇「そうなんですね。N社やD社と比べてどのくらい効果が違うんですか?」 提案者: 〇「単純な効果、という意味ではほぼ同じです。ただ、効果を出すためのフォロー体制も踏まえると当社の方が安心して使って頂けます」 私: 〇「え?それは別の項目ですよね?」
といった様に、他社も実は同等にも関わらず、何らかの理由を付けて自案の評価を上げているパターンである。
過度に高い評価を見たら、なぜその評価なのかの根拠を確認したい。
③評価項目の恣意選択
3つ目に、評価項目の恣意選択を疑うと良い。
私: 〇「ちなみにそのサービスはいつから使えますか?」 提案者: 〇「サービス開始までには手続きの関係で1~2カ月のお時間を頂いています」 私: 〇「そうなんですね、他社は翌週から使えると聞いてましたが・・・」
といった様に、自案が良い評価になる項目しか見せておらず、自案の評価が低くなる項目は隠しているというパターンだ。
今回の意思決定・判断においてこの評価項目が最適かを見極める事が大切だ。
まとめ
今回は、提案が過度に完璧に見える場合の注意点について、
〇・完璧に見えすぎる案は、まずもって疑おう
〇・具体的には、評価軸のユレ、判定基準のユレ、評価項目の恣意選択、を疑おう
という事を述べた。
そもそも世の中に、欠点の無い完璧な案などそうそうない。
完璧に見える案はまず疑ってかかる姿勢を持ち、騙されない様に注意したい。